まずは明けましておめでとうございます。年末年始は友人たちも各地に散って粉&深雪を追い求めている様子。良い旅・良い雪に巡り合えますよう、、、。さて、コチラはというと、年末は良いイメージで締め括れたので今年も良いイメージで始めたいとは思うのだけれど、年明け出陣の日程は今のところまったく立たず、、、。4日の打合せ次第によってはバタバタと2月上旬まで仕事に忙殺されるコトになる可能性大。とりあえず、年末を締め括った良い記録(といっても実際は玉虫色だった)の整理からでも手を付けますかな、、、。
■12月29日・神楽の庭でハードラッセル
28日で取り敢えず年内の仕事をやっつけるコトが出来たので、前日深夜にパッキング。4時半起床でアサイチ新幹線に飛び乗り、越後湯沢を目指す。ここ数日の降雪で湯沢もやっとこさ雪化粧、岩原等の隣接スキー場もオープンに漕ぎつけたようである。この日は低気圧接近に伴う湿った温かい空気流入で、午後から時雨出し余り良くないコンディション。積雪は前回よりも公称で20cm増えてはいたが路肩パウダーにも全く見るべきモノがなかったので、11時にはこの日の宿の和田小屋に宿泊道具を預け、ハイキングに出掛けることにした。第一高速終点を前回とは違い素直に夏道付近から登り出すが、既存のトレース(深さ30cm)は夏道から外れ、右に左に迷走している。また、まだ雪も少ないので担いだボードにブッシュが度々絡まってかなり歩き辛かった。いつも同様30分ほどでリフト終点に到着、小休止。先行の山スキー組(3名)も休憩中だった。まもなく長野から来たというボードの二人組と合流。話をしてみると、大阪の友人の知り合いだというのでピークまで同行するコトになった。リフト降り場の樹林帯を抜けると緩やかなオープンスロープが続く。ほぼ1時間ほどでジャンクション着。まだまだピーク付近の木々は雪に埋もれていない。去年の同時期に比べると50cm以上少ない印象だ。
さて、天候は明らかに下り坂、視界も落ち込んで来てはいたが、往路をそのまま戻るのも芸が無いので<神楽の庭>までハイクして、無名峰の南面をギルランデ気味に下ってリフト下に抜けるコースを試してみることにした。一旦ピークで板を付け、数十メートル下ると<神楽の庭>への取っ付きに到着。急登ラッセルの前に水分補給と糖分を摂取していると、ピークで別れた長野の二人組がやってきた。彼らも選択肢に迷いこっちに流れてきたとのこと。せっかくだからとラッセルを3人でシェアすることにしたが、実際に登ってみると3交代でやっとこさのツリー&ブッシュホールだらけの大変なラッセルだった。雪がしっかりしていれば5分掛からないハイクに20分以上費やし、やっとこさ<神楽の庭>に到着。マッタリとした尾根からこの名前がついたのだろうが、滑走する者にとっては方向を見失いかねない危ない庭だ。およその地形を説明し先頭で滑り出し、まもなく斜面に侵入。ところが、この日のメインディッシュの斜面を1ターンだけでトラバースする。というのも思った以上に雪が少ないからだ。沢床のブッシュに捕まったら延々とラッセルを強いられるのは目に見えていたので、走らない深雪にボードを掴まれながら一生懸命板を横にズラしてズラして、、、。かなり距離を稼いだつもりだったが、ついに斜度のないツリーホールに掴まりギブアップ。右側にリフト支柱が見えてきていたので意を決してツボ足で這いずり出すこと100m、なんとか地獄の森を抜けて休止中のリフト下ゲレンデ末端に生還するコトが出来たのである。
そこからの滑走はわずか100m、、、この日入った某ツアーと同じく、素直にリフト下を行っていれば労少なく愉しみの多い一日になったのは間違いないのだが、ハードなラッセルをシーズン頭にやっておくと幸先イイというジンクスもあって本人はあまり関知せず。長野からのお二人さんには同じく辛い思いを共有していただくコトになったけど、どう思ったかな、、、?(笑) ゲレンデ復帰後、ゴンドラ下レストハウスでいつもの面子と時間調整。閉店で追い出されるまで情報交換してから渋々和田小屋に移動。奥只見に向かうと言う長野の二人ともお別れした。この日の和田小屋宿泊者は意外に少なく13名のみ。ファミリー数組、学生スキー合宿風1組、単身のスキーヤーが2名。ボードは自分一人のようだった。その3人が北西の角で相部屋になった。消灯の9時頃から激しい風雪となり、翌日への期待が高まる。昼間の激ラッセルのお陰で死んだように眠った。2時頃不意に眼が覚めた。雪は依然として降っているのだが、、強い風を伴っていて時折激しい風で建物が揺さぶられるほどだ。あした、風のせいで運休になったらどうしよう、、、。
■12月30日・午前中運休の恩恵を食いまくる
和田小屋の朝食は午前7時。みつまたロープウェーの始発は休日運転でも7時30分。かぐらゲレンデまでリフトとゴンドラを乗り継いで辿り着くのに15分ほど掛かるから、朝食を綺麗に平らげても和田小屋泊には最低リフト数本分のアドバンテージがある。それでも6時に起床し、アサイチゲレパウに備えて準備万端で朝食に臨んだのだが、どうも支配人の表情が硬い、、、。何回もパトロールと確認を取ってくれているのだが、どうやら当分かぐらゲレンデのリフトは動きそうに無い。それどころか、かぐらに上がるゴンドラ自体の運転も怪しいようなのだ。最悪の場合に備えて支配人に延泊が出来るかどうか打診する。一日運休ならば今日泊まって明日のアサイチパウダーを食わないで帰るわけにはいかないのだ。風雪は依然として強いまま。かぐらは当分動かないとみて、みつまたスキー場まで遊びに下りる。せっかくスキー場内に宿泊したのにまったくメリットが活かせていない、、、。ところが意外にもみつまたスキー場にはほどよく路肩パウダーが残っていて荒んだ心を温かく包んでくれた。
午前10時、ひとしきり遊んだ後かぐらエリアに戻ってきたのだが、依然として強い風雪。業を煮やした客の一部は既にメインゲレンデをツボ足で登り始めていた。目の前にパウダーがあるのだからその気持ちも分からないでもない、と思ってた矢先に友人たちも登るというので釣られて登り出していた自分、、、。20分ほど登りメインゲレンデの端っこの吹き溜まりを狙ってドロップするが深さはそれほどでもない。とはいえ滑れないで鬱屈しているよりは遥かに健康的な時間の過ごし方だった。正午前に高速リフトの搬器が出始めた。おそらく30分以内にオープンすると読んでゲート前に並ぶ。こんな時の神楽のゲートはいつものメローな雰囲気とは違って多少殺気立った感じがする。前に並ぶのはストラップBINだから楽勝でかわせるが、慣れないステップインにちょっと不安が残るだのと、頭の中がグルグルと目まぐるしく回ってしまう。
そして、ついにゲートオープン!スキーヤー数名に遅れは取ったものの、その後の斜面を直カリで巻き返し、かなり良いポジションにつけた。リフトに乗るまでの短い時間でお互いのポイントを探り合う。この日、徹底的にGコース右端に拘り続けた自分は、5本近くを底ツキの無いラインでまとめることが出来た。斜度には乏しいが開放感と変化のあるレギュラーの壁で今季最高の上質なエンドルフィンを捻り出した。ひとしきり回してから皆の収穫を確認しあう。みんな思い思いの場所でそれぞれのターンをキッチリと刻めたようでナニヨリであった。夕方近く、この日クローズだった田代連絡コースへの未練の残る自分は再び和田小屋へ、、、。支配人に、『どうでした?』と訊ねると、『準備できてますよ。』との温かくも見透かされた返事(笑) こうして、二泊目を迎えた<かぐらツアー>は三日目の更に熾烈なパウダー争いへと、、、続く。
■12月31日・絶叫の連絡コース
30日は、関西の裏山系の掲示板経由の知り合いが、静岡から3人で年越しでパウダーを楽しむため和田小屋に泊まりに来ていた。しかも同部屋だったこともあって色々と情報交換。また、この日は、ちょうど一年前に宿泊した三名の中のもう一名にも再会、しかもこれまた何故か同部屋。彼は一年前の出会いから急激にバックカントリースキーにハマってしまったようで、知人のツアーに参加したりと随分と共通点が増えていた。しかもスタイルは違うが同じVGの板に乗っているということもあって、この夜は大いに盛り上がった。というか、同部屋の方から焼酎のお誘いがあり、また小屋スタッフの人からも佐渡の日本酒の差し入れがあって、、、。次の日の朝、若干思い頭を抱えて6時半起床。天候は曇り、新雪は無いかわりに風も無いので田代連絡コースは間違いなく開くだろう。静岡からの3人組は、こちらが朝食を食べ終わる頃には、手際よく仕度を終えてゴンドラ下コースへ飛び出していった。コチラは支配人の勧めもあって、高速クワッドのファーストチェアに一人乗りし、無人のメインゲレンデを端から端まで使った高速クルージング。たった一本のアドバンテージだったが最高の開放感!数本回す内に、無線でそろそろ田代へのゲートが開くとの情報。ゲートに辿り着く直前に開いてしまったのは誤算だったが、直カリで飛ばして前のグループに追いつき、腰高のパウダーを狩りながら田代ゲレンデへとノンストップで攻め入り、これでもかという位の絶叫を皆で上げまくった。特に斜度のあるCバーンは前夜の放射冷却でキッチリと締まった極上のシルキーパウダーに変わっていて、VGの深雪性能と相まって、かつてない快感をもたらしてくれた。VG、、、滑るたびに新しい発見のある板。
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